今回は腓骨筋腱炎について学習を進めましょう。
腓骨筋腱炎はあまり出会う疾患ではなく、クリニック勤務2年目で初めて担当した疾患であったため、今回紹介させていただきます。
この腓骨筋腱炎ってなかなか、ベーシックなリハビリテーションの書籍に載っていないんだなぁと染み染み思いました。
この腓骨筋腱炎ために長・短腓骨筋の起始・停止などを予習しました。
長・短腓骨筋の起始・停止・神経支配・作用機序
この筋の知識を踏まえて、腓骨筋腱炎について理解していきましょう。
病態
主に3つに分けられます。
①腓骨筋腱炎・腱鞘炎
②腱断裂
③脱臼・亜脱臼
基本的には、内がえし・外がえしの過用性によって生じると考えられています(1)。
短腓骨筋腱の障害
外果後縁の部分に疼痛が生じるケースが多い
長腓骨筋腱による圧迫・上腓骨筋支帯の緩みにより腱が外果の後縁を繰り返し乗り越えることで発生する説もある。(1)
長腓骨筋腱の障害
腱鞘炎は短腓骨筋腱に比べて少ない症状
・安静時は疼痛のない場合が多く、傾斜や階段昇降・切り返し動作などで疼痛が生じることが多い。
・圧痛:腓骨筋腱に沿った圧痛
・動作時痛:他動的な内外反で疼痛の訴えがあることもある(1)
リハビリテーション
過用性と判断される場合には、適度な休養・安静がとても大切です。
仕事内容やスポーツ内容に留意して、動作指導を行うようにしましょう。
しゃがみ込み動作の多い職業の場合などは、片膝をついた状態にさせたりすることで、負荷量の軽減を図るべきです。
運動療法に関しては、外がえし・底屈が長短腓骨筋の作用ですので、内がえしや背屈のストレッチ指導を行うようにしましょう。
個人的な見解として、扁平足の有無などの足部アライメントの確認がとても重要だと考えます。
外反扁平足を呈する場合、強制的な外がえし(外反)位での生活が自然となっており、その状態からの過用性の症状による疼痛の発言可能性があるからです。
インソールの適応やタオルギャザーや爪先立ちエクササイズなどのセルフケアの指導の必要性も吟味されるべきと考えます。
参考文献
(1) 窪田誠 腓骨筋腱損傷・障害の診断と治療 関節外科 Vol36 No.1 2017
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