慢性疼痛と認知行動療法を理解する

2018年10月29日月曜日

治療に活かす 理学療法士 臨床実習

t f B! P L

慢性疼痛は整形外科分野における大きな問題の一つです。
今回は認知行動療法についての理解を深めることを目的とした記事となります。
認知行動療法とはなんなのか?
理解を深めていきましょう。




スポンサードリンク


認知行動療法は、英語表記としては”congnitive behavioral therapy CBT”と言われています。
このCBTを語る上で、痛みに関して知っておかなければならないことがあります。

痛みの多層的モデル(Multifatede Model)

このモデルは1982年にJohn Loeserが提唱した理論であり、
4層からなり、
1層目:侵害受容器
2層目:痛み
3層目:苦悩
4層目:痛み行動
に分かれます。
引用:慢性痛に対する認知行動療法の基本的な考え方

3層目以降は、言うなれば苦痛に対しての苦悩なのです。
痛みが取れないがために、それに対して苦悩していき、それが行動変容につながっていく。
その苦悩を軽減し、QOLの向上を目指していきます。

4層目の痛み行動の例としては、
破局視というものがあり、この痛みが一生消えないのではないかなどのネガティブな認知や感情のことを指します。
また、掃除をするとまた痛みが出てしまうからしないとか、そういった痛みに影響された行動のことを指します。

一般的な整形外科で理学療法士が介入しているのは、2層目までの痛みに対してのアプローチが多いと思います。しかし、器質的な問題はなくても、痛みが持続的にある慢性痛患者はたくさんおり、それらに対しての介入手段としてこのCBTが存在するのです。

このCBTの狙いとしては、痛みの軽減自体だけでなく、痛みがあっても・・・QOLの向上を目指していくことが目標となります。

要は、痛みとどのように付き合いながら生活の質を高めていくのかを支援するものとなります。

オペラント行動・オペラント条件付けを知ろう

少し話しを反らしますが、オペラント条件付けという言葉をご存知ですか?
理科の授業で習ったことがあるのではないでしょうか?
パブロフの犬のあれはちょっとオペラント条件づけとは異なります。
パブロフの犬のあれは古典的条件付けと称されます。

オペラント条件付けとは、自発的な行動をした時に、環境がどのように変化したかを経験することで、環境に適応する行動を学習することを指します(コトバンク)。

スキナー箱の実験が基礎となっており、ブザーが鳴った時に偶然ネズミがレバーを押すと餌が出るようにしておくと、ブザーが鳴った時に自発的にレバーを押す行動(オペラント行動)をする頻度が高くなるという実験があります。

この学校の教科書に載っているオペラント行動が実は痛み行動に関係あったりします。スキナー箱の実験は正の強化として有名な実験です。

痛み行動におけるオペラント行動はどんなものかというと、痛みを友達や家族に訴えると、休んでていいよとか皆んな優しくされることを覚えます。
つまり、痛みがあると訴える→皆んなやさしい。何もしなくていい→痛みの訴えが止まらないという行動変容が出てしまいます。
こういった痛み行動を抑制していく必要性があると言えるでしょう。

慢性疼痛とCBTのエビデンス

日本の腰痛診療ガイドライン1)においてGrade A となっており、有効性はすでに認められています。
また、システマティックレビューにおいても長期の腰痛およびQOLの改善に有用なことが報告されている2)。

慢性疼痛に使用されるCBTの実際 3)

①理解に関する心理教育

回避行動(痛みが出るから動かないなど)や過剰行動(痛みを我慢しすぎて憎悪するなど)について、理解を深め、自分自身で自分の行動を把握できるように教育していく。

②リラクセーション

腹式呼吸などが代表的。

③アクティビティ・ペーシング (Activity Pacing)

行動面へのアプローチとして、よく用いられる。
前述した回避行動や過剰行動は、考え方の中心が『痛み』です。
これに対して、アクティビティ・ペーシングは行動を中心とした考え方です。
具体的には、活動と休息のバランスを探りながら、今まで痛みで出来なかった活動の再開を図ります。

④認知再構成

これも言葉そのものであり、痛みに対するネガティブな認知の再構成を図ります。
動くと痛みが出るんじゃないかな→不安→やらない
という行動を防ぐために、この最初の『動くと痛みが出るんじゃないか』というネガティブな認知を変容させていくことが目的です。
患者さんに、気づきを与えながら行う方法などがあります。

まとめと蛇足

認知行動療法は慢性疼痛に対する治療としての有効性は認められており、慢性疼痛患者を対象とした理学療法士の場合は理解しておく必要があります。
私は2年前までは病院に勤めており、どちらかというと慢性腰痛の患者さんは手術目的で来られる方が多かったです。
手術を否定するものではないですが、手術に至る前にやれることがあったと思われる患者さんはたくさん見てきました。
おそらくそのような理学療法士の方はたくさんいるのではないでしょうか?

その一端を担えるのが地域在住高齢者を身近に見ることが多い、クリニックの理学療法士だったりすると思います。
認知行動療法・・・知っておくべきものではないでしょうか?


1)日本整形外科学会/日本腰痛学会・監:腰痛診療ガイドライン2012,南江堂,2012.
2)Richmond H et aL:A Systematic Revlew and MetaAnaLysis. PLoS ONE 10 :eO134192,2015.
3)細越 寛樹:慢性痛に対する認知行動療法の基本的な考え方

スポンサードリンク


プロフィール



✅2歳息子を子育て中の32歳のパパで理学療法士/大学院修了
✅副業目指してtwitterとブログを開始
➡️2019年4桁初収益☺️2020年2月200PV➡️3月1600PV➡️4月7000PV達成☺️
✅一条工務店と契約
✅amazon子育て巨人アニメ等雑記ブログ
ツイッター:

QooQ