疼痛の評価は、非常に大切な評価であり、病院・施設問わずにしなくてはならない評価となります。
でも、断片的な学習に留まる傾向がありませんか?
今回は疼痛評価を理解することにしましょう。
メインとして述べるのは、運動器における疼痛です。よろしくどうぞ。
初期評価は問診から
初期評価が肝心要です。問診で何を聞くべきか考えていきましょう。
どこが痛いのか?いつから痛いのか?
誰でも聞きますね。どこが痛いのか?・いつから痛いのか?を聞きましょう。
いつから痛いのかを聞くことで、急性痛・慢性痛の可能性を探りましょう。
整形クリニックでは結構な割合で、『我慢して生活してて、ちょっともう無理!』ってなってから来院される方も多いため、ここはしっかり聞いた方が良いでしょう。
いつ痛いのか?安静時痛?動作時痛?
安静時の痛みか?動作時の痛みなのかを聞くことは、とても大切です。安静時の痛みがあれば、急性期やOPE後の場合は炎症がまだ続いている可能性が高いです。動作時痛のみの場合は、メカニカルストレスや筋性の可能性もあります。
慢性期であれば、また話が変わってきます。
慢性期の安静時痛の話は、別の記事に書きたいと思います。
このあたりは確実に抑えておきましょう。
痛みの程度
痛みの程度を聞きましょう。
よく現場で用いられる評価はVASかNRSでしょう。
VASとNRSは本質的には一緒の評価です。
Visual analogue Scale:直訳 視覚的アナログスケール
Numerical Rating Scale:直訳 数値評価スケール
100mmの直線上で、0〜100の間で痛みの程度をきくのがVAS
0〜10の11段階で痛みの程度をきくのがNRS
ある程度以上の年齢であれば、この評価により主観的な痛みを把握することが出来るでしょう。
痛みの質
痛みの質的な評価も指標も存在しています。
これは、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛を区別するために行われるケースが多いです。
侵害受容性疼痛とは、『生体組織を障害するか、障害する可能性のある侵害刺激により、侵害受容器が興奮して生じる痛み』と定義されます。
侵害受容器がどこにあるかなどはまた別の機会。情報過多は目の毒。
炎症・侵害受容器への過度なメカニカルストレスなどによって痛みが生じてしまうケースが侵害受容性疼痛と捉えるくらいでいいです。
神経障害性疼痛とは、『体性感覚系に対する病変や疾患によって直接的に引き起こされる疼痛』と定義されます。
表現としては、じんじんした痛みとか、痺れとかと表現される方が多いのではないでしょうか?
SLRなどの検査方法がよく知られている検査法ですね。
神経障害性疼痛などが慢性疼痛になってしまうとやっかいなため、早期治療が大切になります。
アロディニアなどの用語もありますが、疼痛の機序に関しては内容が豊富になるので、また別記事で。
既往歴の有無
既往歴はどんな疾患でも大切な要素です。
今までにどんな症状があったか、慢性痛があったりするケースもあります。
痛みの部位と既往歴の関連性が考えられるケースは多いです。
必ず聞くようにしましょう。
仕事や生活動作時の困っていること
どちらかといえば、HOPEの入っていますが、今なにに困って来院してきたのかを把握しないと治療方針が成り立ちません。そして、生活や環境における痛みの発生状況を把握しておきましょう。
デスクワークをしている場合は、姿勢や机や椅子の高さなども考慮に入れて良いと思います。デスクワークで、パソコンを使用している場合などはノートパソコンやデスクトップパソコンかどうかによっても頸部への負担が変わってくると考えられます。
ノートパソコンの場合、画面が下にある場合がほとんどですので、頸部屈曲位になりがちです。パソコン作業を自宅でしており、地べたに座っている場合は、ノートパソコンの使用は頸部伸展位になりがちになりますし、胸郭出口症候群を助長しかねません。
ひょんなことが、症状の悪化を伴っていることは多いです。
その辺の調査はかならずするようにしておきましょう。
まとめ
疼痛検査は当たり前のことを問診で聞くこと。それが始まりで、それが一番大切なこと。
そして、それを確認していくこと。
あとは整理して評価して、治療する。
それだけです。
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