なぜなら、つまらないから!
勉強というのは理由がないとできないものです。
学生さんにとっての解剖学や生理学は、1年生や2年生で習いますが
そうは言っても、意味付けが難しいものです。
ただ、授業体系として解剖学として学習するため、
「この筋肉は起始は〇〇で、停止は〇〇。神経は〇〇」
と短絡的に覚えさせられます。あー、つまらないって感じですね。
だから、逆に疾患から解剖を理解する方が楽しいと思います。
そのため、今回からは疾患の症状をまとめながら、解剖学などを理解していきましょう!
変形性膝関節症
変形性膝関節症というのは耳にタコの人が多いのではないでしょうか?
英語表記では、 Osteoarthritis of the knee
略称としては、膝OAと略すことが多いです。
大抵はOAは膝のことを指すことが多いため、OAと呼ぶことも多いです。
さて、症状をまずは理解しましょう。
症状について理解する
加齢に伴う生物学的変化や荷重・機械的ストレスなどの生体力学的変化により膝関節の構成体である関節軟骨および軟骨下骨、骨組織に退行性変化と反応生の増殖性変化が生じた疾患である(引用元:変形性膝関節症の運動療法ガイド)
平たくいうと
年を経るにつれ、骨や軟骨や軟部組織が変化していって、その結果、痛みが出ちゃった疾患
です。
それではどの様な症状が出てしまっているか?考えていきましょう。
病因は2つに一般的に分けられます。
それは
一次性と二次性です。
primaryを一次性と訳しています。
primaryとは第一の意味の他に”原始的な”という様なニュアンスもあるため、
- 一次性膝OAとは原発性(原因のわからない)膝OAという意味になります。
- 二次性OAとは二次的な障害から発生したOAという意味になります。
二次性と言えるのは、前十字靭帯損傷などの疾患が起因のものであったりといったものです。
膝関節の筋肉(内側広筋トピックス)
参考可動域(ROM)は伸展0度、屈曲130度ですね。
まず、覚えやすい事項としてはextension lagです。
lagとはズレとか訳したりします。直訳すると伸展のズレです。
他動でのROMと自動でのROMがズレが生じることをextension lagと呼びます。
この原因は、内側広筋の筋力低下が要因と言われていましたが、現在は否定的な意見が多いです。
筋肉のつながり、筋膜の学問が発展中の中で、当たり前だったことが否定されてきています。
extension lagの原因が内側広筋だ!って短絡的に考える時代は終わった様です。
ということで、内側広筋の働きに興味が湧きましたか?
内側広筋は大腿四頭筋の中の一つです。
この赤い部分が内側広筋です。
他の3筋は、大腿直筋・外側広筋・中間広筋です。
内側広筋(Vastus Medialis)
内側広筋は詳しく述べると、青の斜線部分と主な赤い部分とに分かれます。
斜頭線維は膝蓋骨を斜めに引っ張ります。
グイッと引っ張って、膝蓋骨を安定させる作用を持ちます。
停止は大腿四頭筋腱となり、膝蓋骨内側縁と膝蓋腱に付着・
斜頭は膝蓋骨内側縁に直接付着
支配神経は大腿神経で神経根はL3(L2ーL4)です。
現在の重要な役割として考えられていることは、膝蓋骨の安定化です。
膝周囲の筋の構造上、その他の大腿直筋や外側広筋は外側に膝蓋骨を引っ張りやすいです。
それに対して、内側広筋により膝蓋骨を安定させる効果があると考えることが妥当でしょう。
O脚による大腿骨の外側偏位は筋にも更なる影響をもたらしそうなことは想像つくのではないでしょうか?
盛りだくさんは嫌いなので、内側広筋をトピックに語ってしまいました。
一応、簡単に症状と治療方法について述べていきます。
症状は何ぞ?
症状を確認しましょう。
理学療法士の一つのお仕事としては痛みを取ることです。そのお手伝いをするためには症状を理解せねばならないでしょう。
- 痛み
- 可動域制限
- ADL障害
痛み
痛みに関しては、パターンがある程度決まっています。
①圧痛 O脚の場合、内側裂隙にあることが多いですが、症状は多岐に渡ります。
今後の理解としておきましょう。
②動作時痛 階段昇降や歩き始めにあることが多いです。
③夜間時痛 あまりないことが多いですが、重症例などではある場合もあります。
可動域制限
痛みが進行していると正座困難な場合が多いです。
ADL障害
正座困難な他にも、症状が進行すると様々なADL障害が発生していきます。
例えば、床からの立ち上がりやしゃがみ込みで痛みが生じてしまい、床上生活が大変になってきます。
日本では、床上生活が多いため、大きな障害となります。
もちろん、階段で痛みが発生しやすいため、2階などへの移動も億劫になります。
治療
現在は、治療の一つとして、大腿四頭筋の筋力強化が重要と言われています。
一般的な用語としては、大腿四頭筋訓練(quad setting)と呼ばれるものがあります。
膝関節伸展位でボールや座布団を膝下において、ギューと押す運動です。
これによって、関節に負荷をかけずに大腿四頭筋を鍛えます。
適度な歩行訓練なども重要です。
現在、夜間痛や安静時痛がなければ行います。
運動不足は単純に全身の筋力低下を進めてしまいます。
そもそも運動不足な方は少なくありません。
まだ、完全な治療方法は実際には確立されておりません。
今は滑膜が重要であるというトピックもだいぶ広まってきています。
今後に触れていきたいと思っています。
まとめ
まだまだ話さなければならないことが多岐に渡りますが、とりあえず締めたいと思います。
内側広筋は膝蓋骨の内側縁に着き、膝蓋骨の安定性に寄与します。
extension lag=内側広筋説は否定されてきました。
でも、内側広筋を含め、大腿四頭筋の筋力強化は重要です。
これで良くなっちゃう人も中にはいますが、これだけで良くならない人も大勢います。
変衛生膝関節症ひとつとっても、覚えることが多いですね?
堅苦しい勉強は止めにして、適当に勉強していきましょう!
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