歩行観察のために活かしたい眼を養うためにどこを見れば良いのかなぁっていうのを個人的な視点から述べていければと思います。
まずは疾患の確認を
くどいですが、疾患が何であるかを確認しましょう。腰なのか股関節なのか膝関節なのか、なんの疾患でリハビリオーダーが出ているかを把握しないと治療になりませんからね。
学生は一発で見ようとするな!
どうしても、一回で全ての歩行観察を終えようと頑張ろうとしてしまう学生さんって多いですが、無理です。仕方ないです。ていうか、目視での歩行観察って理学療法士ごとに全然視点が違ってしまうため、学生さんの見えている部分とバイザーの見ている部分がぜんっぜん違うことなんて多々あります。
だから、学生さんとの歩行観察中にバイザーがみて欲しいところと学生さんのみていたところの乖離っていうのは日常茶飯事なんですよ。
自分はこう見てるよーっていうのをその場で伝えながら、
擦り合わせていくことってバイザーの大切な役目だと思います。
で、実習だと歩行は周期ごとに分けて書くことが、大体のテーマとなりますよね。
その方が問題点の明示がしやすいこともあり、それが推奨され続けることは間違い無いでしょう。
で、バイザーが歩行に問題のある患者さんの全てにおいて周期ごとに分析できているかって言ったら、大多数のPTがNOとなると思います。
何となくの『当たり』は疾患で把握している人は多いので、そこを見てみた上で個々で分けているのでは無いでしょうか?
じゃあ、学生さんは一発目の歩行観察で何をみれば良いのか?っていうと、
とりあえず分かったことを箇条書きにどんどん書き出せ!
です。
何書いたらいいか分からなくて書けなかったって言う学生さんも多いですが、つべこべ言わずに分かったことをどんどん書き出せってなります。
実習生にとって、歩行観察って一つのテーマになりますが、そこまで詳しく理解することなく、実習になります。
だから、分からなくて当たり前の現状があります。
なんでもいいと思います。
そして、専門用語に捉われなくていいからとりあえず書き出しましょう。
そして、歩行観察って悪いところを見よう見ようとしてしまいますが、別に良い部分が分かっても良いじゃないですか!ここは正常歩行出来てるなーとかって思ったら、そこは書く!
つべこべ言わずに書く。
視点が狭いのなんか当たり前なんだからそれでいいんですよ。
学生さんなんだから、実習のケース患者さんの歩行は毎日見ることが出来るんですから、だんだん見れるようになればいいんです。
OPE後の患者さんが担当ケースになった場合は、日々歩行能力が向上していきますが、そこは良いことなんですよ。痛みの変化とか、可動域とか筋力とか日々変化していくことが普通なので、そこはまた別の機会に述べたいと思います。
余裕があれば、歩行周期ごとに分けて書けると良いですが、分からなくなっちゃう学生さんはまずは書く!っていう工程を踏みましょう。
どこを見れば良い?
これはね、最初は関節ごとに見ようとしないこと。関節ごとに見ようとすると、膝関節はどのくらい曲がってー、どのくらい伸展してーとか超具体的に見ようとしてしまうことがあります。
まずは、そんな超詳しく見ようとしなくていいんです。
・歩行速度はどのくらいだろう?計測できればしちゃいましょう。
・歩隔はどうだろう?
・歩幅はどうだろう?
・思いっきり特徴のある歩容があればそこを記す
・見やすいところはみる
まずはこれでいいと思います。
なぜか?
歩行速度が遅ければ、なぜかを考えることが出来ますね。
歩行速度が遅くなる要因って何になるんだろう?って調べますよね。
そうすると、歩幅の問題があるのかなー、関節可動域はどうなんだろう?
筋力の問題があるのかなー、歩行速度に関わる要素って何なんだろう。
そしてー、この疾患はなんだっけ?
ね!色々広がるでしょう。
そうすると、見る視点が少し変わってきます。
歩隔が狭いなー。。。
歩隔が狭いってのは何が関係しているのかなー。
調べて見よう。あ、こういう筋やROMと関わりがあるんだーってなると思います。
あとは、はっきり分かった歩容があれば、そこを書き出す。
誰にでも分かるような歩容であれば、そこに大きな問題点があることが想像つきます。
それが何によって生じているかを考えることも非常に実習として有意義なものとなるはずです。
これらをまとめてみると、初めての歩行観察でも少し進むことが出来ます。
もちろん、初期接地が踵接地なのかとか、すぐに目視出来るものであれば、分かることに入ってくると思うので、余裕があれば書いてしまいましょう。
観察による歩行分析の補足資料に歩行周期ごとのチェック項目を挙げているものがありますが、そこに行く前にまずは自分の眼で見ることが出来るものは何なのかを理解しておくことが大切です。
この眼は数をこなすことでしか上達していかないと思います。
セミナーもたくさんあると思います。そういうのは、新しい視点を得るためにはとても有意義になると思いますが、実際に得られるのは臨床経験に他なりません。
よって、実習生がすぐに歩行の問題点をみつけられるのは困難と言っていいと思います。
だから、数日かけてみられるようにしていきましょう。
レポートに書くときには
レポートに書くときには、自分は観察による歩行分析を使って歩行観察する人なので、初期接地からターミナルスイングまでの項目ごとに分けて書いてきました。実習では、学校で教わったものをしっかり使いこなせればOKだと思いますので、それを使いましょう。
・各歩行周期ごとに分けて書くものをそれを利用する。
・歩行速度や歩幅や歩隔などを別枠でしっかり書いておく。
一気にみようとするからダメなんです。
1日1日少しずつ見られるようにすれば、否が応でも歩行観察は進んでいきます。
だから最初にも言いましたが、焦らないこと。
着実に進めていくこと。
そして、暇さえあれば患者さんの歩行を観察すること。
そして、これも大切だと思います。
真似が出来るくらいになること。
真似が出来るということは、筋や可動域なども想像しやすくなります。
罵詈雑言は無視すること!
出来ないものは出来ません。
今、自分がどこまでやれるかはやってみなければ分かりません。
バイザーも学生さんのレベルを知りながら、実習を進めていくことが大切ですよ。
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