『内がえしと外がえし』と『回内と回外』その区別

2018年5月23日水曜日

足関節 理学療法士 臨床実習

t f B! P L
題目のとおり。
この辺の定義の曖昧さは癪に障ります。
なので、違う項目で説明しようと思っていましたが、どんどん話が膨らんできてしまったため、今回はこの項目だけでいきます。




スポンサードリンク

足関節の内がえし・外がえしと回内・回外

ネット上でも内がえし・外がえしと回内・海外を説明したサイトや画像がたくさん見られますが、それを見ただけでも、あれ?これとこれ、逆だけど・・・ってなります。
大混乱必須です。

結論から申し上げると、まだ言語の定義が不十分なままで進んでいるというのが結論のようです。ですが、参考文献2)によると2001年以降、定義がある程度定まっているようだと述べています。

これは、日本の翻訳の問題だけでなく、欧米での定義の混乱も含まれています。
しっかり理解しておかないと、わけが分からなくなってしまうため、気をつけましょう。

この参考文献をご紹介するとともに、話を進めて行きたいと思います。
また、下記の書籍の序章においても、足関節の内がえし・外がえしや回内と回外の定義の説明が為されているように、ごちゃまぜにすると誤解をしてしまう可能性があるため、この教科書・論文ではどの定義をされているのかな?っていうのを理解しながら進めていかなければいけません。

足部・足関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く

内がえし・外がえし

今回は、あらかじめ述べておきますが、先の本と同じ定義とします。

内がえし・外がえしを前額面での動きと定義し、3平面上での動きを回内・回外と定義した上で話を進めます。

内がえし(inversion)と外がえし(eversion)ですが、筋骨格系のキネシオロジーの説明がとても分かりやすいです。

足関節中心をX軸・Y軸の中心Oと考えましょう。
後ろから足関節中心に一本の棒を突き刺した図をイメージしましょう。

そこが、内がえし・外がえしの軸となります。

内がえし

外がえし
下手くそな絵ですみません。
さっきの説明は分かり難かったかもしれませんね。

両足一緒にやって覚えましょう。
内がえし:足関節中心位から親指近づく動き
外がえし:親指遠ざかる動き

とっても分かりやすいでしょう!

また、英語の語源からも覚えてみましょう。
inとは英語における語源において、『中に』と訳されます。
一方、eversionに関して述べると、eは『外へ』そしてversionはもともとvertで『回す』という意味を持ちます。

つまり、inversion(内がえし)は『中に回す』、eversion(外がえし)は『外に回す』と語源的には分かれます。そして、eversionは医療用語でない意味合いだと、裏返すという意味を持ちます。
図を覚えてしまえば、一発ですが、このeversion=裏返すはとても分かりやすい表現ですねー。
外がえし=裏返す:裏側がよく見えるのはどっちだ!っていうヒントの使い方も分かりやすいですね。

覚えやすいのは両足一緒に動かす方が覚えやすいですねー。

教科書的な説明も加えておきますね。
前額面上のみで生じる運動が、内がえし・外がえしです。
足の裏が見えるのが外がえしです。


文献3 参照




スポンサードリンク

回内と回外

超、紛らわしいですが、『内がえし・外がえしや底背屈』と『回内と回外』はジャンルが異なります。
回内と回外は、3平面(底背屈・内外転・内がえし外がえし)の複合運動を捉えた動きのことと覚えて下さい(triplanar)。

変な話です。
だからややこしく感じるんですよね。

回内(pronation)と回外(supination)は3平面上の動きを組み合わせた動作のことと定義されます。

回内:外がえし・外転・背屈
回外:内がえし・内転・底屈

回内なのに外がえし?っていう混乱が生じます。
回外なのに内がえし?っていう混乱が生じます。

煩わしいので、逆と覚える方が面倒ないと思います。
回内・回外は3平面の複合運動⇨背屈しながらしやすいのは?⇨外がえし!
⇨外がえしの逆は回内!
逆も然りと覚えた方があっさりしていると思います。

内反・外反と内がえし・外がえし

リハビリテーション医学会において、内反・外反は変形を意味するものとしており、運動の名称としてはしないとのことである2)

内反は動作的には内がえしと同義です。

まとめ

内がえし・外がえしは前額面上の運動。
両側の親指が近づく動きが内がえし。親指が離れる動きが外がえし

回内・回外は3平面上の運動。
背屈と複合しやすい運動は外がえし。回内・回外とは逆。つまり、回内。
そんな感じで覚えます。

一番困るのは、PT同士の会話での齟齬。
そこを統一した状態で議論できるようにして行きましょう。

参考文献

1)筋骨格系のキネシオロジー―カラー版
2)著:銅冶英雄ら 足部運動表示における内がえし(inversion)/外がえし(eversion)の定義- triplane motionか、coronal plane motion か?
3)著:米本恭三ら 関節可動域表示ならびに測定法

スポンサードリンク

プロフィール



✅2歳息子を子育て中の32歳のパパで理学療法士/大学院修了
✅副業目指してtwitterとブログを開始
➡️2019年4桁初収益☺️2020年2月200PV➡️3月1600PV➡️4月7000PV達成☺️
✅一条工務店と契約
✅amazon子育て巨人アニメ等雑記ブログ
ツイッター:

QooQ