調べてみると
後脛骨筋腱機能不全症(Posterior tibial tendon dysfunction:PTTD)
という疾患に繋がっていく部分とのことです。
この辺りを機能解剖学とを巡りながら、話を進めていこうと思います。
①後脛骨筋を知る
後脛骨筋(tibialis posterior:TP)の起始・停止・支配神経を理解しましょう
・起始:脛骨と腓骨の後面近位2/3と隣接する骨間膜
・停止:距骨以外の各足根骨へ付く腱と第2〜第4中足骨基部
主な付着部は舟状骨結節と内側楔状骨
・支配神経:脛骨神経
・停止:距骨以外の各足根骨へ付く腱と第2〜第4中足骨基部
主な付着部は舟状骨結節と内側楔状骨
・支配神経:脛骨神経
後脛骨筋の腱は、下腿の遠位1/3で腱に移行し、内果の後方の溝(足根管)を通ります。
そして、屈筋支帯を通過します。
その際に、屈筋支帯の深層で三角靱帯の表層を通ります(ややこしい)。
この足根管はそう、手でいう手根管症候群に位置づけられ、屈筋支帯での神経絞扼(こうやく)を招き、足根管症候群というものがあります。
脱線なう。
作用について理解しましょう。
この筋のお仲間を紹介しましょう!この筋は深層に位置しています。
ヒラメ筋の奥にあります。
とても近くに隣接している筋肉のお仲間は長指屈筋・長母指屈筋です!
(※この辺の筋肉に普段あまり着目していなかった自分はまだまだ未熟感ありますね。)
この2つの筋と密接な関係性をとりますが、今回は割愛。
これらの筋の主な作用は底屈・内がえしです。
足関節の内がえし・外がえしと回内・回外の表現記載が大嫌いです。
覚えにくいったらありゃしない。
これを続けて書こうとしたら、結構な量になったため、別記事で書きました。
以下を是非ご覧になって下さい。
『内がえしと外がえし』と『回内と回外』その区別
話を戻します。
また、後脛骨筋腱は内側縦アーチの動的安定性を向上させる作用を有します。
この作用が、歩行においてとても大切な要素となります。
アーチが潰れてしまうと、先のPTTDに発展してしまうリスクが生じます。
それを述べていきましょう。
PTTD:後脛骨筋腱機能不全症から語る
PTTDの重要な局所初見は、足関節内果の腫脹と圧痛、そして時に下腿内側近位の放散痛とのことです2)。
後脛骨筋腱の作用として、内側縦アーチの動的安定性を向上させる作用がありましたね?
それが崩れるとどうなるでしょう?
そうですね。外反扁平足が進行します。
ま、簡潔に言っちゃえばPTTDは外反扁平足の進行です。
後脛骨筋の機能不全を見る検査として、片脚での爪先立ち(底屈MMT)があります。
踵の挙上ができないか、少し挙上できるが、後足部は内反せず、陽性と判定されるとのこ
とです2)。
とです2)。
理学療法的な評価に関しては、以上を考慮すると
①足部のアライメントの評価:外反扁平足の確認
②底屈MMTの確認
③立位アライメント・歩容の確認
この辺が必須
治療は進行度合いに応じてインソール等も考慮されるべきでしょう。
まとめ
後脛骨筋は底屈と内がえしに作用
後脛骨筋腱は内側縦アーチの動的安定性の向上に作用
それらが機能不全に陥ると外反扁平足が進行する、内果に痛みが生じる
参考文献
2)生駒和也 他:後脛骨筋腱損傷・障害の診断と治療−後脛骨筋腱機能不全症(PTTD)を中心に− 関節外科 2017 Vol36 No.1
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