問診の重要性
問診を簡単にすっ飛ばしてしまう学生さんが多いです。問診から得られる情報ってとっても多いのに、それを整理せずに行ってしまうことは大切な情報収集が不十分になってしまうことを意味します。
丁寧な問診を行っていきましょう!
問診内容をこれから整理していきます。
①HOPE
良くなりたいという意見は当然です。
これだけで終わってしまってはもちろんいけません。
今、困っていることは何なのか?
慢性疾患などであれば、治ったら何が出来るようになりたいのか?
骨折や脳卒中で入院中の患者さんであれば。退院したら何が出来るようになりたいとか。
これは少なくとも自分で出来るようになりたいとかが自宅状況によって、違ってきます。
これは少なくとも自分で出来るようになりたいとかが自宅状況によって、違ってきます。
そのため、具体的なHOPEを聞けるようにしておきましょう。
例えば、家族と生活している患者さんであれば、
身の回りのこと(例えばトイレや風呂など)の基本的なところは自分で出来るようになりたいとか、
近くの公園まで一人で歩いていけるようになりたい!とか、
今まで独歩で歩いていたので、今後もなるべく独歩で歩きたいとか・・・。
身の回りのこと(例えばトイレや風呂など)の基本的なところは自分で出来るようになりたいとか、
近くの公園まで一人で歩いていけるようになりたい!とか、
今まで独歩で歩いていたので、今後もなるべく独歩で歩きたいとか・・・。
HOPEは様々な可能性があります。
どんな生活状況かなどはHOPEに密接に関わってきます。
そのHOPEに向けて、理学療法士として、医療従事者として何が出来るかを我々理学療法士は常に考えながら働いて行く必要があるということです。
②家屋構造
自宅がどうなっているかっていうのは、退院するにあたって、とても重要な情報です。
転倒歴があるかどうか?あればどこで転倒したのかなどと合わせて情報収集していきましょう。
じゃあ、何を聞きましょう。
認知的にしっかりしていて、親切な患者さんであれば簡単な見取り図が描けるレベルに情報収集しましょう。
なぜでしょうか?
それを紐解いていきましょう。
玄関の段差:
玄関の段差の有無を聞きましょう。
大抵段差はありますが、手すりなどがない時に段差昇降が出来なければ自宅に入ることは出来ません
(※厳密には出来ます。違う手段を考えたり、家屋改修を一緒に考えたりすることも理学療法士として携わることの出来る役割です)。
大抵段差はありますが、手すりなどがない時に段差昇降が出来なければ自宅に入ることは出来ません
(※厳密には出来ます。違う手段を考えたり、家屋改修を一緒に考えたりすることも理学療法士として携わることの出来る役割です)。
自宅内の段差:
現在の高齢者の自宅の場合は、古い民家などの場合はかなり高い段差があったりしますし、バリアフリー構造の自宅は増えてはいますが、全てな訳ありません。
どこに段差があるのかな?何cmの段差があるのかな?などを聞けるようにしましょう。
何cmの段差があるかを知ることで、その段差を乗り越えられるかどうか、患者さんの機能と住宅環境における問題点を考えることが出来るでしょう。
手すりの有無:
玄関の項で述べましたが、手すりの有り無しで自立度が変わってくるケースも多いです。
玄関・浴室・廊下・トイレ・階段など、どこに手すりがあるかなどを聞けると転倒リスクを考える材料になります。しっかり聞きましょう。
2階建てか、階段昇降が必要な環境か?
住宅環境によっては、団地住まいとか1階がお店で住まいが2階とか、自宅に帰る時にどうしても階段を使わないといけない環境の患者さんも普通にいます。
そこがNeedになってくる患者さんもいるかもしれません。
しっかり聞いておきましょう。
布団かベッドか?
これは結構、大切だと個人的には思っています。
布団だと床からの立ち上がりをすることが必要となってきます。
それが可能かどうかなども退院後の住宅環境として大切な要素です。
ベッドであれば、その高さは何cmなんだろうっていうのも家屋調査で計測します。
市販の折りたたみ式ベッドなどだと高さが低いことも多いです。
病院のベッドであれば、高さを調節することが可能でしょう。
現在は、何cmまでであれば、立ち上がることは出来そうだ!
なども大切な情報収集の一つです。
導線の確認
これは必ず行った方が良いのではないでしょうか?
家屋調査に行くことが、病院に就職した場合にあると思います。
その時に何を考えるかというと、まずは自宅への入り方。
そして、寝床はどこなのか?
トイレまでの距離はどのくらいあるのか?そこに至るまでに段差はあるのか?
ポータブルトイレの導入が現実的なのか?
手すりを設置すべきなのか?などたくさんのことを考える必要があります。
そして、寝床はどこなのか?
トイレまでの距離はどのくらいあるのか?そこに至るまでに段差はあるのか?
ポータブルトイレの導入が現実的なのか?
手すりを設置すべきなのか?などたくさんのことを考える必要があります。
そのため、入院前は導線はどうだったのかを考えていきましょう。
自分なりに退院後の生活を考えられるととても有意義な実習になるでしょう。
③家族構成
言わずもがなですね。
家族の支援が得られるかどうかは、退院後の生活においてとても大切です。
脳卒中や骨折等でADLの自立度が下がってしまうケースはあります。
その際に、どの程度家族からの支援が得られるかどうかは、とても大切です。
もし、ADLの自立度が低い状態での退院となる場合、現場では日中の生活をどのように工面するかなどを考えていきます。
家族が日中仕事の場合などは、日中は通所などを活用しながらADLの向上を目指していくというケースもありますし、食事の用意をヘルパーや宅配を活用していくケースもあります。
実際の考え方としては、上記のような理由で家族構成も込みで考えて行くのですが、学生さんの場合は、必死に情報収集してレポートを埋めることに頭がいってしまうため、家族構成を聞けた!で終わると思います。
上記のようなことを考えることができれば、就職につながる実習になるのではないでしょうか?
④日常生活でしていたことをしっかり聴取する
これは病前生活を理解しましょうという意味です。
病前の生活を考えないと退院後の生活を想定することは出来ません。
自宅で患者さんは何をしていたのか?それをしっかり聴取しましょう。
例:
家事
立ち仕事の代表格 長時間の立位保持が大変な患者さんの場合に工夫すべきことは何でしょう?
椅子を用意したりすれば、休憩を挟みながら家事を行うことも出来ます。
椅子を用意したりすれば、休憩を挟みながら家事を行うことも出来ます。
洗濯
洗濯は洗濯機に入れるだけが全てではありません。
洗濯物を干す、洗濯物を干す場所まで運ぶ、取り入れる、たたむ、仕舞うと自分が当たり前のようにやっていることって凄く大変な作業だったりします。
買い物
買い物も自分で行けていたとしましょう。
私は群馬に住んでいますが、やはり車社会のため、高齢者でも車に乗っている方はたくさんいます。
今回の疾患のために移動手段の変更を余儀なくされる場合は当然あります。
移動手段
本来、ここに入れるべき事項ではないと思いますが、移動手段の把握は必須ですね。
独歩だったのか?杖歩行だったのか?屋内や屋外で違いはあるか?
予後予測として、文献に記載されている疾患もあります。
必ず聞くようにしましょう。
普段の生活は椅子か?こたつなどの床に座ることが多いか?
さっきの布団とベッドもそうですが、床での生活をしている方はたくさんいます。
みなさんもそうではないですか?
生活上の不便さを感じる患者さんも出てくるかもしれませんよ。
疾患によっては、24時間のスケジュールを聞くのも良いでしょう。
これは日差変動のある疾患の場合は、大変役に立ちます。
多いのはパーキンソン病とかですね。
調子の良い時間、動けない時間などを把握することで、対策をすることが出来るかもしれません。
⑤要介護度
介護保険の要介護を取得している患者さんももちろんいます。
どの範囲を自分で行なっていたかを確認しましょう。
今後はどこまでなら出来そうかな?っていうのを考えられるようにしていきましょう。
⑥転倒歴
転倒歴も大切です。
特に転倒による骨折などを呈してしまった患者さんの場合。
どんな状況で転んでしまったのか確認しましょう。
いわゆる段差によって転んだのか?何もないところで転んだのか?
また、その日のいつか?日中か、夜か?
前に転んだのか?後ろか?横か?
アクシデント的な転倒(例えば、カーペットに滑って転倒とか)と、何でもないような所での転倒ではわけが違います。
必ず聞くようにしましょう。
まとめ
このように、問診内容はとてもたくさんあります。
補足として、疼痛検査自体も問診によって知ることの出来ることはたくさんありますが
ちょっと今回の内容とは離れてしまうため、触れませんでした。
また、疼痛検査の項目の時に触れれればと思っています。
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