統合と解釈って単純に言うと、今までの評価を統合して、先行文献を通して自分の解釈を述べることです。
これって、治療するために絶対必要なんです。
そこに至ることが出来ないと患者さんに合った治療を遂行することなんぞ不可能と理解して頂ければと思います。
それでは始めていきましょう。
統合と解釈って何なのさ?
自分の評価の統合って難しい用語を言われると分かりづらいですが、要は自分の各々の評価をまとめましょうってことです。つまり、ROMやMMT、歩行観察や動作観察、ひいてはADL評価などを総括して、問題点の抽出を行う過程のことです。
要は、ROMの膝関節伸展制限があるから伸展制限の改善のストレッチをします!
とか、
MMTの膝伸展のMMTが3だから膝の筋力強化をします!
とか言ってちゃダメよって話です。
かさねがさね言いますが、これはあくまでも臨床推論であり、相関関係がなにかを評価項目の中から考える作業のことです。
AだからBだ!っていうA=B(プログラミング言語的にはA==B)が成り立つような評価を我々の理学療法評価ではほぼ100%出来ないんだぞっていうことを理解した上で、この話を進めていきましょう。
くどいですが、因果関係を証明するっていうのは、とーっても難しいことなんです。
それを簡単に因果関係・因果関係って言っていてはいけません。
言葉の綾だとかなんだとか言うのはやめましょう。
これは医学的にも統計学的にもしっかりと理解しておかなければいけない話だからです。
相変わらず脱線しましたが、話を戻します。
統合と解釈とは?という話ですが、私の見解としては、統合と解釈を通して、考察において問題点やGOALを考えていくようです。
この『統合と解釈』と『考察』を分割する明確な理由がなんなのかははっきり言って分かりません。論文においても『統合と解釈』という項目は一切現れたことがありません。
そのため、この『統合と解釈』という項目は実習生のためのツールと考えざるを得ません。
私は転職してから、この統合と解釈という項目を使っている学校に初めて出会ったくらいですから。
だから、これは考察にも通用する話なので、そんなの使っていないよって学生さんも目を通してみてください。
実際に行う作業工程
実際に理学療法士の統合と解釈で主に行われるものとしては、心身機能(ROM・MMTなど)と姿勢観察や動作観察を結びつけ、問題点として何が考えられるのかを考えていく工程です。だから、以前にブログで書いた【実習対策】ICF攻略〜マインドマップ活用法〜
を読んで頂ければそれで良いです。
でですね、この統合と解釈という、いわば思考の整理は、トレーニングによって培われます。だから実習で、さあやってみて!って言われても今までやってこなかったら出来るわけがありません。
その意識をもっと学生に植えつけてもらわないと、統合と解釈初めまして!って状況でパニクってしまう学生さんが量産されてしまうでしょう。
基本的には動作と心身機能の評価を結びつけるトレーニングをしていかなければなりません。
これは例を挙げたほうが分かりやすいでしょう。
Q:歩行 トレンデレンブルグ徴候がみられた。
A:中殿筋の筋力低下の可能性がある。
ここで把握しなければならないのは、絶対的な正しい答えはない!ということです。あくまでも、臨床推論です。さ、いきましょう。
トレンデレンブルグの教科書的な答えはもちろん中殿筋の筋力低下によるものです。
しかし、トレンデレンブルグ徴候陽性の要因は単純に中殿筋の筋力低下なのかを考えねばなりません。どういうことでしょうか?
1)体幹の筋力低下があれば中殿筋は発揮にしにくいです。
(この説明には先行研究の引用が必要です)
2)麻痺があれば中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
3)疼痛があれば中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
4)円背などの姿勢も中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
5)O脚も中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
(この説明には先行研究の引用が必要です)
2)麻痺があれば中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
3)疼痛があれば中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
4)円背などの姿勢も中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
5)O脚も中殿筋は発揮しにくいです。(然り)
(この説明には先行研究の引用が必要です)と記載しましたが、これはトレンデレンブルグ陽性をもたらしたであろうという推論をするにあたり、参考にした先行研究を述べることなく記載してしまうと、どうしてそう考えたのー?って聞かれるためです。
現在の理学療法士のエビデンス重視の教育上は、このどうしてそう考えたのー??に対しての答え方として、先行研究を持ってくるやり方がもっとも適切な答えになると考えています。もちろん、経験則によって培われたものが、研究のデータに近いことも多いです。だから、ろくに文献を見ない先輩であっても、経験則によって非常に洗練された臨床をされる先輩もいることは明白な事実です。
ですが、今は実習中です。
バイザーを納得させる論理的な文章を提出することが必要です。
だから、論文の検索をしていくことで、自分の考えを導ける論文を探す必要があるのです。
実習前に行うべきトレーニング
学生同士でも歩行の問題点を見つけ(異常歩行を真似してもよい)、それに対して心身機能の評価をどんどん結びつける作業をしていくことを実習前にトレーニングしておくと良いと思います。これはトップダウンと俗に言われる方法論です。
友達同士で道端の歩行の様子をあーだこーだ議論しあうことが一番良い練習です。
歩容に特徴のある方はたくさんいます。
どんどんやってみてください。
本当は先生のフォードバックを行いながらやることが必要なのは事実です。
ま、そこは徐々にでしょう。
これをやってこないから、実習で単純思考しか出来ず、バイザーの指摘に面食らい、頭が悪いというレッテルを貼られ、それこそ泥沼にはまっていくのです。
ボトムアップで初めは行う学生が多いと思いますが、
トップダウン的に考える作業は絶対に行っておくべきです。
統合と解釈を行う能力がないのではありません。
単純に
そのトレーニングをやってこなかったツケが回ってきているだけの話です
実習は実習前から始まっている!逆算的に勉強を進めて行くべきです。
そして、大学の先生方は、もっともっと危機感を煽って良いと思います。
なぜ、行うのか?なぜ必要なのか?もっと説明が必要だと思います。
ちゃんとやっておけばよかったでは遅いのです。
トップダウン的に考える作業は絶対に行っておくべきです。
統合と解釈を行う能力がないのではありません。
単純に
そのトレーニングをやってこなかったツケが回ってきているだけの話です
実習は実習前から始まっている!逆算的に勉強を進めて行くべきです。
そして、大学の先生方は、もっともっと危機感を煽って良いと思います。
なぜ、行うのか?なぜ必要なのか?もっと説明が必要だと思います。
ちゃんとやっておけばよかったでは遅いのです。
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